老後2000万円問題より大事なこと
◆「老後2000万円問題」は、誰の話?
2019年に金融庁が発表した報告書で、「夫婦2人が老後30年間暮らすには約2000万円が必要」と言われました。
それ以降、“老後資金2000万円問題”という言葉が独り歩きしています。
確かに、年金だけで暮らすのは簡単ではありません。
物価上昇や生活費の増加を考えると、
いまでは“4000万円必要”とする試算も出ています。
でも実は、多くの人が本当に不安に思っているのは、
「お金そのもの」ではなく、
**“健康を失ったときに生活が回らなくなること”**です。
◆健康を失うと、家計も苦しくなる
病気や介護は、誰にでも起こりうること。
医療費には「高額療養費制度」という上限がありますが、
通院・リハビリ・薬代・交通費など、
長く続く支出は確実に増えていきます。
介護が始まると、その負担はさらに大きくなります。
生命保険文化センターの調査(2021年度)によると、
平均介護期間:5年1か月
自己負担額:月8.3万円/総額606万円
所得に応じて「高額介護サービス費制度」で上限が設けられていますが、
期間が長くなるほど家計への影響は避けられません。
◆健康寿命が長い人ほど、老後資金は少なくて済む
全国高齢者パネル調査(日本サルコペニア・フレイル学会)では、
65歳以上の8.7%がフレイル(虚弱)、
40.8%がその予備群と報告されています。
つまり、約半数の人が“介護になる前の段階にいる。
この時期に気づいて予防できれば、
医療費や介護費を大きく抑えられます。
健康寿命をのばすことは、
「病気にならないため」だけでなく、
“お金を減らさないため”の最も確実な方法です。
◆「貯金より健康」──それを仕組みで支えるまちへ
老後資金4000万円を貯めるのは簡単ではありません。
でも、“健康を維持する仕組み”なら、誰でも手が届きます。
測定会や運動教室で、自分の体を「見える化」する
通いやすい場所で、誰でも参加できる活動を増やす
スマホやLINEで健康データを家族と共有する
こうした**「予防を支える環境」**があれば、
お金や体の不安を小さくしていけます。
◆まとめ
老後資金も大切ですが、「健康で自立して過ごせる10年」を増やすことも価値がある。
健康を守ることが、家計を守ること。
久喜から、“仕組みで健康”を。
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